転職市場、崩れた“年齢の壁” 50歳以上を積極採用、能力重視進む (2/4ページ)

 同社の転職仲介全体の決定実績は、16年度が09年度比約2.3倍、17年度も同約2.6倍と好調が続く。その中で、以前なら受け入れ先が限られていた50歳以上の決定が右肩上がりで伸びており、「50代でもこんなに転職が成立するんだ、と驚くほどの好調ぶり」(藤井氏)という。

 足元の転職市場では、人工知能(AI)やIoT(モノのインターネット)対応に加え、20年の東京五輪・パラリンピックを控え、現場管理者など建築分野の有資格者の需要も強い。17年度の50歳以上の転職決定数を業界別でみると、建設・不動産業界が27%、電機・電子・機械業界が25%を占める。

 一方、事務系職種でも新規株式公開(IPO)やM&A(企業の合併・買収)の増加に伴い、スタートアップ企業の成長期の経営や財務、営業ノウハウを持つ人材需要が拡大。リクルートキャリアの平野竜太郎シニアコンサルタントは「戦略的投資にあたって年齢は関係ない。事業プロセスを理解し、アドバイスできる人材は貴重だ。大手で眠っていた人材が地場企業に転職し、活躍しているケースは多い」と分析する。

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