記者会見のNGワード「イ・ゴ・オ・シまい」から見る「炎上が炎上を呼ぶ」理由 (4/5ページ)

  • 田中優介『スキャンダル除染請負人』(プレジデント社)

 記者会見でのNGワード「イ・ゴ・オ・シまい」

 記者会見にあたって、沙希は三波社長にもう1つアドバイスをします。

 謝罪会見では“解毒”という言葉を頭に置いて、解毒に徹して下さい。そのためには、次の言葉を絶対に使わないで下さい。遺憾・誤解・お騒がせし・知らなかった、の四つです。頭の字を一語ずつ繋げて“イ・ゴ・オ・シまい”と記憶して下さい。これを口にしたら、以後おしまいになると思って」

 「以後おしまい、ですか。確かに……、どれも他人事のような印象ですね。よく使っている会見や記事を目にしますが。肝に銘じておきます」

 「遺憾」「誤解」「お騒がせしました」「知らなかった」

 いずれも不祥事を起こした企業の記者会見で決まり文句のように使われているため、使うのが当然と思っている人が多いと思いますが、逆です。絶対に使うべきではありません。なぜなら、これらの言葉を使うと、心から反省しているようにはとられないからです。

 「遺憾」とは残念とか気の毒という意味です。従って、当事者ではなく、第三者が使う言葉なので、無責任な印象を与えてしまいます。

 「誤解」とは意味を取り違えること。従って、責任は言葉を発した人と受けた人の双方にあるということになってしまうので、反省の気持ちが足りない印象を与えます。

「お騒がせしました」と「知らなかった」