【IT風土記】九州発 新鮮な日本産の青果物を低コストで海外に 革新的輸出システム構築目指す (1/4ページ)

 さまざまな種類の青果物を1つのコンテナに混載して海外に輸送する新しい物流システムの研究開発が九州で進められている。冷蔵・冷凍設備を持つコンテナを2つの温度帯を設定できるように改良することで、本来は難しい青果物の混載を実現させた。このコンテナが実用化できれば、日本の青果物を低価格で海外の消費者に提供でき、マーケットの拡大が期待できる。

コンソーシアムが開発した多温度帯コンテナ。九州の青果物を積み終え、トラックで博多港に向かう

コンソーシアムが開発した多温度帯コンテナ。九州の青果物を積み終え、トラックで博多港に向かう

 香港での人気の日本の青果物

 香港は日本の農林水産物や食品の輸入が最も多い地域だ。他の国・地域に比べ、輸入規制が少なく、関税も無税で、輸出しやすい環境にあることに加え、ここ数年、日本食がブームになっており、日本産の農産物・食品への関心が高まっていることも背景にある。

 香港の中心市街地にある高級スーパーでも日本の青果物をよくみかけるが、その価格は日本に比べ、驚くほど高価だ。例えば、九州産のハウスみかんの現地の売価は1キロ370香港ドル(1HKD=約14円)。日本円にすると、約5200円にもなる。ナスは2つで約30香港ドル、キャベツは半分のサイズで15香港ドル前後。日本での価格の2~3倍の価格水準だ。香港への青果物の輸出は、航空便が利用されているが、輸送コストは船便のおよそ6倍程度とされる。輸送コストがそのまま価格に跳ね返ってしまっているわけだ。

香港の店頭には日本産の青果物も並ぶ。空輸で輸送しているため、価格は日本に比べ相当割高だ

香港の店頭には日本産の青果物も並ぶ。空輸で輸送しているため、価格は日本に比べ相当割高だ

混載を実現する冷蔵コンテナ