「依頼の品には一つ一つにエピソードがある。美術品は値段に応じて価値がランク付けされるが、そんなものさしでは測れない、もっと大切なことがある」と今村さんは力を込める。
2人は現在、工房だけでなく、倉敷市西岡の龍昌院(りゅうしょういん)を間借りし、定期出張所を開設。活動に賛同した地元の表具師らとともに、4人で作業にあたっている。手弁当のため限界もあるが、「全ては一生に一つの思い出の品物。一つでも多く直すのが私たちの役目」と、修復に込める思いは揺るがない。
倉敷市での活動は毎週金曜。修復の依頼や問い合わせは絵画修復工房「YeY」((電)086・201・8263)。