グーグル社員"いい会社だから辞める"理屈 (4/4ページ)

 外資系の場合はプロダクトマーケティング職であれば、経験とキャリアを積み上げていくパターンが多い。マネージャー、マーケティングダイレクター(部長職)とステップアップし、ダイレクターになると、コミュニケーション、プロモーションのすべてのマーケティングを統括する。年収も高い。

 外資系のプロダクトマーケティングのマネージャーの一般的な年収は30代後半で約1200万円。ダイレクタークラスになると1800~2000万円も珍しくない。

 外資系のマーケティング部門は経営企画に近く、社内でも優秀な人材を集めている。外資系企業のマーケティング部門出身者の経営者も多い。

 たとえば資生堂社長の魚谷雅彦氏は、ライオンを皮切りに日本コカ・コーラのマーケティング部門長、社長を歴任し、資生堂マーケティング統括顧問を務めるなどマーケティング畑一筋の人だ。

会社を辞めるのはスキルと地力をつけてからでも遅くない

 以上、ランクインした企業や業種の特徴を考えると、退職した人が「辞めたけど良い会社」と思う気持ちは理解できる。もちろん転職にはリスクが伴うが、会社で培った知識と経験を武器に将来のステップアップを夢見てチャレンジしてみる価値は十分にあるだろう。

※写真はイメージです(写真=iStock.com/sharaku1216)

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 一方、上司とソリが合わない、給与が低いという不満を抱えて転職しても、給与が上がらないどころか、転職先でも人間関係が悪化し、失敗する可能性が高い。

 筆者が転職希望者や人事部に長年取材して思うこと。それは、会社を辞めようと思えばいつでも辞められる、ということだ。早まって結論を出す前に、自分はどんな仕事をしたいのか、あるいはどんな働き方をしたいのか。自分のやりたいこと、できることを一度じっくりと見つめ直すことをお勧めしたい。

 どんな社風や業種であれ、会社という組織に属することには何かしらのメリットや学びが必ずある。それをうまく利用すれば、経験やスキルを磨くことができる。

 仮に上司と合わなければ、異動希望を出すことで環境を変え、新たな道を開けばいい。空前の転職ブームだが、会社を辞めるのは「どの会社でもやっていける」というスキルと地力をつけてからでも遅くはないはずだ。

 (ジャーナリスト 溝上 憲文 写真=iStock.com)(PRESIDENT Online)