LINEは、昨年11月にみずほフィナンシャルグループと一緒にLINEの銀行「LINE Bank」の設立を発表しています。この発表を見て僕は、この銀行が肝なんじゃないかと考えています。2020年の開業に向けて準備が進んでいるLINE Bankには、企業の給与の振り込み用口座とか、かなりの数のユーザー情報が集まるのではないかと考えています。そのデータが集まった後、LINEならさまざまなサービスを横串で効率良く展開していきやすい。その意味から、LINE経済圏は強力だと思います。こうしたことを考えると、LINE家計簿にはビジネスとしてのポテンシャルの大きさを強く感じます。
家計簿アプリの運営会社の動きに着目するなら、「次なる一手」を見るとどの方向に向いているかが浮かび上がってくる。それこそ、最初に紹介したマネーフォワードの子会社、マネーフォワードファインが昨年11月末に貸金業者登録を完了したのも、ビジネスの次なる一手であることが予想できます。すると、彼らが発表している通りに、会計・請求書データを活用した融資サービスとして中小企業の資金繰りをサポートするということに併せて、「もしかしたら、彼らはクレジット信用スコアを上げた人への少額短期の融資ビジネスを展開していくのかもしれないゾ」などと妄想を巡らせることができるのです。
今後、家計簿アプリと銀行関連サービスがどのように近づいていくのかとても楽しみです。どんどん便利な時代になっていくことは間違いないようです。
以上、今回は、家計簿アプリを題材に、筆を取らせてもらいました。また次回お会いしましょう。次回は「フィンテックと送金」について語りたいと考えています。
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【フィンテック群雄割拠~潮流を読む】は甲斐真一郎さんがフィンテックと業界の最新事情と社会への影響を読み解く連載コラムです。更新は原則隔週火曜日。アーカイブはこちら