お金で損する人・得する人

税金のかからないiDeCoの受け取り方 退職金とあわせて考えるのがカギ (4/4ページ)

平野泰嗣
平野泰嗣

 実は、有利なiDeCoの受け取り方があります。iDeCoを60歳時に一時金で受け取った場合、勤続年数(積立期間)に重複があっても、その期間を控除しなくても良いのです。ちょっと不思議に感じられるかもしれません。後に支払われた退職一時金の退職所得控除の勤続年数を計算する際に、重複期間を控除する条件として、前年以前4年内となっています。つまり、iDeCoを一時金で受け取ってから5年経過して退職一時金を受け取った場合は、iDeCoの積立期間10年間を控除することなく、勤続年数30年として退職所得控除を計算します。60歳時にiDeCoを受け取る場合、退職所得控除は勤続年数10年で計算し400万円となり、年金資産200万円を一時金で受け取っても所得税・住民税はかかりません。

◆◇◆

 iDeCoは税制優遇を受けながら老後資産を貯められる制度ですが、受け取り条件が60歳以降であるため、会社員の場合、受け取り方は退職金と併せて考える必要があります。これまで見てきたように、会社の退職金もiDeCoも受け取り方によって、税金・社会保険料の影響で手取り額が大きく変わります。実際に、税制上、どんな受け取り方が有利かは、個々の条件によって変わるので注意が必要です。

 また、金銭的な有利不利も気になるでしょうが、もう一つ大切な視点があります。退職金もiDeCoもリタイア後の生活を支える大切な資金です。必要な時にお金が手元にあること、生活のリズムを崩さないように定期的な収入があることなど、リタイア後のライフプランと資金計画(マネープラン)の視点を踏まえて選択することが何よりも大切です。

 後になって後悔しないように、じっくり検討するする必要があります。また、ライフプランと資金計画を合わせて検討したい場合は、ファイナンシャル・プランナーなどの専門家への相談をおすすめします。

平野泰嗣(ひらの・やすし)
平野泰嗣(ひらの・やすし) ファイナンシャルプランナー CFP(R)認定者
中小企業診断士
1971年生まれ。東京都出身。慶応義塾大学法学部法律学科卒業。中小企業を支援する公的金融機関勤務。人事部時代に働く人のライフプランの重要性を感じ、FP資格を取得。妻・平野直子とともに「FPオフィス Life & Financial Clinic」を経営。「その人らしい幸せな人生」実現のサポートをミッションに活動。お客様と一緒に作成したライフ&マネープランは1000件超。中小企業診断士として、個人事業主、経営者の支援も行う。

【お金で損する人・得する人】は、FPなどお金のプロたちが、将来後悔しないため、制度に“搾取”されないため知っておきたいお金に関わるノウハウをわかりやすく解説する連載コラムです。毎月第2・第4水曜日掲載。

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