新線探訪記

"社運をかけた大事業" 相鉄・東急「新横浜線」開業で何が変わるのか (3/3ページ)

SankeiBiz編集部
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社運をかけた大事業が成就する日

 相鉄・JR直通線の電車は各駅停車であっても、羽沢横浜国大から武蔵小杉まで約15分間もノンストップで駆け抜ける。京浜東北線の鶴見駅や横須賀線の新川崎駅付近を通過するものの、いずれもホームはない。東急東横線・目黒線よりも海側の鶴見駅付近を迂回するコースのため、ちょうど三角形の二辺をたどるイメージとなり、少し遠回りしている印象を受ける。一方の相鉄・東急直通線線は三角形の長辺をそのまま進むイメージがあり、実際、直通運転による短縮効果も大きい。

 新線の現状や将来を分析した「首都圏鉄道事情大研究 将来篇」の著者で鉄道評論家の川島令三さんは「相鉄沿線の人口はどんどん下がっていました。神奈川東部方面線という新線の計画は昔からあり、相鉄にとって社運をかけた念願の大事業でしたが、当初は東急が全然動かなかったので、相鉄はJRと交渉を進めたという経緯があります。すると慌てた東急の方も動き出し、ついに相鉄・東急直通線も開業する運びとなったというわけです」と話す。

 相鉄の社運をかけた大事業が成就するとき、東海道新幹線やJR横浜線、横浜市営地下鉄ブルーラインと接続する「新横浜駅」(仮称)を軸に、新たなネットワークが構築されることになる。「東京に直結するメリットはもちろん、新幹線にアクセスするメリットはさらに大きい」(川島さん)が、不安材料もあるという。

 「相鉄の羽沢横浜国大駅は『棒線駅』みたいなもので列車の待避設備がありません。運輸障害が発生したときにボトルネックになる可能性があります」と懸念する。他社との相互乗り入れを行っている路線では、乗り入れ先で発生したトラブルが直接、自社路線のダイヤ乱れにつながるというのだ。新線の開業によって利便性が向上し、いいことずくめのように思われる一方、相互乗り入れで鉄道網が広がると、トラブルの影響も拡大する恐れがあるという側面もあるようだ。

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【新線探訪記】では首都圏の新線計画が大きく動き出している中、「陸の孤島」とも呼ばれる鉄道が走っていない地域に鉄道が開業すると、街や人の流れはどう変わるのか。SankeiBiz編集部員が現地を訪ね、現状と今後の展望をレポートします。アーカイブはこちら

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