衛星軌道進入に成功か 高まる脅威
北ミサイル発射北朝鮮が7日、事実上の長距離弾道ミサイルを発射した。北朝鮮は地球観測衛星「光明星4号」を軌道に進入させたと主張。米韓もミサイルの一部が宇宙空間に達したことは認めており、専門家の多くが成功との見方だ。打ち上げの画像は、前回を再現したかのようで“新味”はないが、2回連続で高い技術を証明、脅威が増大したといえそうだ。
米本土射程内に
北朝鮮は今回のミサイルを運搬ロケット「光明星号」とするが、前回「銀河3号」として発射した「テポドン2号」改良型によく似ている。
東倉里(トンチャンリ)の発射台の大型化に伴い、より大きい新型ミサイルが登場するとの観測もあったが、金正恩(キム・ジョンウン)第1書記は冒険より成功を優先したようだ。
政策研究大学院大の道下徳成教授は「同じことを2回やるというのは実は難しい。まぐれでないことを示し、軍事的に大きな意味がある」と指摘する。南方向への打ち上げは、地球の自転の力を利用できる東方向に比べて技術的に困難。さらに、今回の軌道を北に180度ひっくり返した先には、米国がある。
韓国の国家情報院は7日、北朝鮮が軌道に乗せたとする物体の重量は推定約200キロと国会に報告。韓民求国防相は射程が最大で1万3000キロに達するとの見方を示した。軍合同参謀本部は大陸間弾道ミサイル(ICBM)級で、米本土に届く可能性があるとした。
北朝鮮は「光明星4号」が高度494.6~500キロの極軌道を94分24秒の周期で回り、観測・通信機材を備えていると主張。正常に作動しているかどうか不明だが、韓国国防省関係者は「ミサイルの一部」が軌道に達したとの分析を示した。
宇宙航空研究開発機構(JAXA)の的川泰宣名誉教授は「軌道に乗せたという意味では成功。前回より確実に性能が良くなった。打ち上げから軌道入りまでの時間が短縮されており、推進力が上がっているのでは」と推測する。
回収阻止へ爆破?
韓国国防省によると、1段目は分離の際に爆発、270余りの破片になって落下した。何らかの異常の可能性もあるが、米モントレー国際問題研究所のジェフリー・ルイス部長は「回収を阻止するために北朝鮮が切り離し後に故意に爆発させた可能性が高い」とみる。
韓国軍は前回、回収した残骸を徹底的に調べ上げたが、今回、性能分析は難航しそうだ。(共同/SANKEI EXPRESS)
≪5月党大会へ国威発揚 「次は核実験準備」≫
北朝鮮の金正恩政権が国際社会の懸念を無視する形で、長距離弾道ミサイルの発射を強行した。今後も軍事的挑発を続ける可能性が高く、韓国の情報機関、国家情報院は7日、「北朝鮮は5回目の核実験を準備している」との見方を示した。今年に入り核実験とミサイル発射を連続して行った金正恩政権に、国際社会はなす術(すべ)もないのが現状だ。
「今後も衛星をさらに多く、万里の大空に打ち上げるだろう」
北朝鮮の朝鮮中央テレビは7日、衛星「光明星4号」の打ち上げ成功を発表する「特別重大報道」をこのように締めくくった。今後も長距離弾道ミサイルを発射する姿勢を示し、国際社会を威嚇したものだ。「9号まで打ち上げ続ける」と報じたこともある。
北朝鮮は5月に36年ぶりの朝鮮労働党大会を控えている。今回のミサイル発射には、金正恩体制の確立を宣言する朝鮮労働党大会に向け、国威発揚を図り求心力を高める狙いがあるのは明白だ。
金正恩第1書記には、米首都も射程に収めるミサイルの開発を成功させ、「核抑止力」の向上を誇示する思惑もある。最終目標は、米国との平和協定締結による自らの体制保証だ。
金第1書記が米国に対する「核抑止力」の完成を目指している以上、1月の核実験や今回のミサイル発射の結果を受け、追加実験・発射を行う可能性は高い。韓国軍の李淳鎮(イ・スンジン)合同参謀本部議長は7日、「潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)を試射する可能性もある」との見方を示している。
北朝鮮が軍事的挑発をやめない背景には、中国の影響力低下がある。金第1書記は1月、中国に事前通知せず核実験を強行。今月5日以降、習近平国家主席が韓国の朴槿恵(パク・クネ)大統領、オバマ米大統領と電話会談し調整に乗り出すと、その直後にミサイルを発射した。
かつては血盟関係とされた中朝両国だが、もはや中国にも北朝鮮への影響力を期待できない状況にある。(ソウル 藤本欣也/SANKEI EXPRESS)
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