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【アメリカを読む】「リバランス」はかけ声倒れか 報告書が一石 (1/4ページ)

2016.1.26 09:00

南シナ海に展開する米空母「セオドア・ルーズベルト」(右側の背景)を視察した後、移動のため米海兵隊のオスプレイに乗り込んだアシュトン・カーター米国防長官。手をこまねいていては、南シナ海は「中国の湖」になりかねないのが現状だ=2015年11月5日(ロイター)

南シナ海に展開する米空母「セオドア・ルーズベルト」(右側の背景)を視察した後、移動のため米海兵隊のオスプレイに乗り込んだアシュトン・カーター米国防長官。手をこまねいていては、南シナ海は「中国の湖」になりかねないのが現状だ=2015年11月5日(ロイター)【拡大】

 オバマ政権によるアジア重視のリバランス(再均衡)戦略はかけ声倒れで終わるのか? ワシントンのシンクタンク、戦略国際問題研究所(CSIS)がこのほどリバランス戦略を検証し、西太平洋における「空母2隻体制」の実現など具体的な提言を含む報告書をまとめた。

 南シナ海が「中国の湖」

 報告書「アジア太平洋・リバランス 2025」は軍事力の裏付けを欠く戦略では中国や北朝鮮の挑発に対処できないと警鐘を鳴らしているのが特徴だ。現状をこう記した。

 「政権のリバランス戦略への取り組みが、米国の利益を確保する上で不十分である恐れがある。中国や北朝鮮は日常的に米国の信頼性に挑戦し、地域における軍事バランスは米国にとって不利な方向に移行している」

 特に警戒しているのが南シナ海や東シナ海での中国海軍の活動により米海軍の抑止力が損なわれることだ。中国が2030年までに複数の空母打撃群を保有する可能性が高いと指摘。他国を威圧するようになることで、「米国にとってのカリブ海やメキシコ湾と同じように、南シナ海が事実上、中国の湖になる」と警告した。

課題は次期政権に

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