米アイオワ州デモインで行われた政治集会で演説するドナルド・トランプ氏。相次ぐ過激な問題発言にもかかわらず、共和党の大統領候補指名争いで首位をキープしている=2015年12月11日(ロイター)【拡大】
カリフォルニア州サンバーナディーノでの乱射事件を受けて共和党の大統領候補指名争いで首位の不動産王、ドナルド・トランプ氏(69)がイスラム教徒の入国を禁止すべきだと主張した。メディアや識者は一斉にこの発言を「越えてはならない一線を越えた」などと批判したが、それでもトランプ氏は保守層の支持を固め、共和党にとっての「怪物」になりつつある。
自身こそが生みの親
「トランプは怪物なのかもしれない。だが、共和党主流派こそが彼を生み出したフランケンシュタイン博士だ」
ヒラリー・クリントン前国務長官(68)を支持する特別政治活動委員会(スーパーPAC)、プライオリティーズUSAアクションの戦略家、ポール・ベガラ氏(54)はワシントン・ポスト紙でこう評した。共和党のポール・ライアン下院議長(45)や他候補が、トランプ氏が指名を獲得した暁には支持すると表明していることを揶揄(やゆ)したものだ。
共和党はバラク・オバマ大統領(54)がイスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」(IS)の同調者を「暴力的過激主義者」と呼び、イスラム教徒と峻別(しゅんべつ)していることを批判。また、不法移民の市民権取得に道を開く移民制度改革にも強く反対してきた。