11月24日、ホワイトハウスでの記者会見で、フランスのフランソワ・オランド大統領(左)を抱きしめるバラク・オバマ米大統領。両首脳は「イスラム国」への空爆拡大で合意したが、会談をリードしたのはオランド氏で、オバマ氏はどこまでも受け身だった=2015年、米国・首都ワシントン(UPI=共同)【拡大】
トルコによるロシア軍機撃墜でシリア内戦をめぐる国際情勢は複雑化の一途をたどっている。バラク・オバマ米大統領(54)がイスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」への認識を改めない限り、米軍主体の有志連合がイスラム国を弱体化させ最終的に打倒するという戦略目標を達成することは難しい。
甘い「イスラム国」の認識
「イスラム国が力を付けているとは思わない。当初の目標の通り、私たちはイスラム国を封じ込めている」
オバマ氏は11月12日に収録された米ABCテレビの報道番組「グッドモーニング・アメリカ」によるインタビューに対してこう答えた。
有志連合にとっての主要課題はイスラム国がシリアとイラクの領土を占領していることにあり、イスラム国の指導部を除去して指揮統制から切り離すことを完全に成し遂げることが目標だと強調した。