地中海上の仏原子力空母シャルル・ドゴールから発艦する戦闘機(フランス軍提供・ロイター=共同)【拡大】
パリ同時多発テロを受け、フランス軍は23日、イラクとシリアのイスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」の拠点に対し、シリア沖の仏原子力空母シャルル・ドゴールから出撃した戦闘機による初の空爆を相次ぎ実施した。オランド仏大統領は24日、訪米してオバマ米大統領と会談し、軍事・外交両面でイスラム国に対する国際的包囲網の強化を目指す。オランド氏はイスラム国掃討には幅広い国際社会の結集が必要との認識で、26日にはプーチン露大統領とも会談する。
仏国防省の発表では、仏軍は23日、空母に搭載された戦闘機でイラク上空を偵察後、地上のイラク軍と連携し、イラク北部のモスル、中部ラマディを空爆した。作戦は約7時間続き、ラマディではイスラム国の武器庫を破壊した。
続いてシリア領内にも空爆を拡大。空母から出撃した戦闘機ラファール4機が、ヨルダンに配備されたミラージュ2000などと、イスラム国の重要拠点の北部ラッカを攻撃した。イスラム国の司令施設や整備施設を破壊したとしている。
テロへの厳戒が続くベルギーの検察は23日、22日夜以降にブリュッセル首都圏などで拘束した21人のうち、1人をパリのテロに関わった疑いで逮捕した。ベルギーでの逮捕は4人目。残る拘束者のうち17人は釈放された。政府は首都圏の最高度の警戒水準を続ける一方、25日から地下鉄の運行や学校を再開する方針。