11月24日、ホワイトハウスでの記者会見で、フランスのフランソワ・オランド大統領(左)を抱きしめるバラク・オバマ米大統領。両首脳は「イスラム国」への空爆拡大で合意したが、会談をリードしたのはオランド氏で、オバマ氏はどこまでも受け身だった=2015年、米国・首都ワシントン(UPI=共同)【拡大】
訪米したフランスのフランソワ・オランド大統領(61)は24日、オバマ氏との共同記者会見で訴えた。イスラム国は米首都ワシントンやニューヨークへの攻撃を予告しており、米国にとってパリでのテロは他人事ではない。
しかし、イスラム国に対する包囲網形成を目指して世界を飛び回るのはオランド氏だ。「軍事より外交」を旨とするオバマ氏にとり、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領(63)を説得し、撃墜されたロシア機のパイロットを射殺したとされるトルクメン人を含むシリア反体制派への攻撃を止めさせるのはその神髄を見せる場所のはずなのだが。
米国の保守系評論家、チャールズ・クラウトハマー氏(65)はオバマ氏が「65カ国による有志連合」を誇るばかりで、「呆然(ぼうぜん)とするほどの受け身、無関心、無気力な口調」に終始していると批判する。米国がリードしなければイスラム国を「封じ込め」、徹底的な打撃を加えることはできない。(ワシントン支局 加納宏幸(かのう・ひろゆき)/SANKEI EXPRESS)