11月24日、ホワイトハウスでの記者会見で、フランスのフランソワ・オランド大統領(左)を抱きしめるバラク・オバマ米大統領。両首脳は「イスラム国」への空爆拡大で合意したが、会談をリードしたのはオランド氏で、オバマ氏はどこまでも受け身だった=2015年、米国・首都ワシントン(UPI=共同)【拡大】
来年の米大統領選でマイノリティー(少数派)や若者といったオバマ氏の支持基盤を取り込む一方、政権の支持率低迷による悪影響を避けたいクリントン氏は「オバマ離れ」を印象づけるため意識的にシリア問題で差別化を図っている。
例えば、クリントン氏は長官在任中、オバマ氏に提案したシリアの穏健な反体制派への武器供与を拒否されたことを繰り返し明かしている。
また、有志連合による空爆を強化するため米軍の空爆誘導要員の派遣やシリア北部への飛行禁止空域設定を主張し、「これは全世界による戦いであり、米国が主導しなければならない」と述べ、米国がリーダーシップをとるべきだと主張している。
オバマ氏がイスラム国をプロバスケットボールNBAの「二軍チーム」にたとえるなど、その脅威を低くみせようとしてきたのとは対照的だ。
呆然とするほどの受け身
「今年初めからイスラム国は多くの国を攻撃している。デンマーク、チュニジア、レバノン、クウェート、トルコ、エジプト、そして航空機が撃墜されたロシア。いかなる場所でもテロと戦う決意を共有したい」