討論会を終え、ヒラリー・クリントン前国務長官(手前)は、満足そうに支持者に向けポーズをとった=2015年12月19日、米ニューハンプシャー州マンチェスター(ロイター)【拡大】
来年11月の米大統領選に向けた民主党候補による第3回討論会が19日、東部ニューハンプシャー州マンチェスターで開かれ、3人の候補者がイスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」(IS)掃討など世界における米国の役割や中間層対策などを議論した。最有力のクリントン前国務長官(68)は、共和党で首位に立つ不動産王、トランプ氏(69)を意識した発言が目立った。
民主、共和両党を通じて今年最後となる討論会には、クリントン氏を追う無所属のサンダース上院議員(74)、オマリー前メリーランド州知事(52)も参加した。
クリントン氏は、ISが宣伝工作のため米兵を標的にする可能性を挙げて、大規模な地上部隊の派遣を重ねて否定。一方で「大統領の最も重要な仕事は米国の安全を守ることであり、私にはISを打倒するための計画がある」と強調した。
これに対し、サンダース氏は「米国は世界の警察官ではない。中東での絶え間のない戦争に巻き込まれてはならない」と訴えた。
米政治専門サイト「リアル・クリア・ポリティクス」による最近の世論調査平均値は、クリントン氏の支持率が55.9%で、サンダース氏の30.8%を大きく上回る。すでに来年7月以降の共和党との決戦を視野に入れているためか、クリントン氏は繰り返し共和党のトランプ氏を攻撃した。