「俺たちの声や曲を、勝手に使うんじゃない!!」-。来年の米大統領選に向けた動きが活発になる中、選挙集会などでの音楽無断使用に、著名なアーティストが次々と怒りを爆発させている。今回、集中砲火を浴びているのが共和党予備選候補者のドナルド・トランプ氏(69)だ。曲を使われた側は“トランプ氏支持”と誤解されるなどとしているが、背景には無断使用だけでなく、メッセージの曲解などへの、アーティストのいらだちもあるようだ。
ニール・ヤングさんが口火
米音楽誌ローリング・ストーンや英紙ガーディアン、BBC放送(いずれも電子版)などによると、楽曲使用をめぐりトランプ氏と最初にトラブルになったのは、カナダ出身のベテラン歌手、ニール・ヤングさん(69)だ。
トランプ氏は、ニューヨーク・マンハッタンで6月16日に行った出馬表明のイベントと、その日夜のアイオワ州での演説会で、ヤングさんの「ロッキン・イン・ザ・フリー・ワールド(自由な世界でロックする)」(1989年)を、ヤングさん側の許可を得ず、無断で使用した。