討論会を終え、ヒラリー・クリントン前国務長官(手前)は、満足そうに支持者に向けポーズをとった=2015年12月19日、米ニューハンプシャー州マンチェスター(ロイター)【拡大】
オバマ氏との違い演出
19日の討論会でクリントン氏は、自らの対テロ戦略を詳しく説明した。IS掃討のための大規模な地上部隊派遣は間違いだとし、特殊部隊派遣や有志国連合の強化などを訴えたが、オバマ政権と方向性に違いはない。新味があるのは、シリアでの飛行禁止空域の設定を主張していることぐらいだ。
テロ対策にてこずるオバマ大統領に向ける国民の目は厳しさを増している。オバマ政権1期目で国務長官を務めたクリントン氏は、安全保障分野でオバマ氏との差異をいかに打ち出すか、細心の注意が必要だ。
討論会でクリントン氏は「米国は(世界を)主導しなければならない。そうでなければ力の空白が生じる」と強調した。「米国は世界の警察官ではない」と公言するオバマ氏との違いを意識しているのは明らかだ。
「フォースとともにあらんことを」
クリントン氏は討論会の最後を人気映画「スター・ウォーズ」の名ぜりふで締めくくった。聴衆が大喜びすると、やっと表情を緩めた。(共同/SANKEI EXPRESS)