12月19日、米東部ニューハンプシャー州マンチェスターで開かれた民主党の候補者討論会で弁舌さわやかに話すヒラリー・クリントン前国務長官(右)。矛先はバーニー・サンダース上院議員(左)ではなく、その場にいないドナルド・トランプ氏に向けられた=2015年(ロイター)【拡大】
米大統領選の民主党最有力候補、ヒラリー・クリントン前国務長官(68)が共和党で首位の不動産王、ドナルド・トランプ氏(69)への攻撃を強めている。「イスラム国(IS)の新兵募集員」「性差別主義者」と批判することは、トランプ氏による暴言の数々を声高に批判することのない他候補の信用を落とすことにもつながる。予測に反してトランプ氏リードのまま迎えた2015年の暮れ、クリントン氏の視線は共和党候補との戦いに向かっている。
謝罪要求を拒否
世論調査の支持率で無所属のバーニー・サンダース上院議員(74)を引き離しているクリントン氏が今年最後となる19日の民主党討論会で主要なターゲットにしたのは、その場にいないトランプ氏だった。名指しで繰り返し批判した。
「トランプ氏は大言壮語と偏見を使って人々をあおる卓越した能力を持っている」「トランプ氏はISにとって最高の募集員になっている。彼がイスラム教徒を侮辱する映像を使えば、ISはより多くの過激聖戦主義者を集められる」