12月19日、米東部ニューハンプシャー州マンチェスターで開かれた民主党の候補者討論会で弁舌さわやかに話すヒラリー・クリントン前国務長官(右)。矛先はバーニー・サンダース上院議員(左)ではなく、その場にいないドナルド・トランプ氏に向けられた=2015年(ロイター)【拡大】
共和党の指名争いでは、3割以上の支持を集めるトランプ氏が2位のクルーズ氏にダブルスコア(12月4~21日のRCP平均値)を付けている。このままトランプ氏が独走を続けるのか、それとも2月1日のアイオワ州党員集会を皮切りとする予備選・党員集会で共和党支持層が「クリントン氏に勝てる候補」を選ぶかは予測が難しい。
ただ、クリントン氏は共和党との戦いに布石を打っている。IS掃討のためシリア上空への飛行禁止空域の設定や、現地部隊を訓練する特殊部隊の増派を主張しているのもその一つだ。
クリントン氏を知る民主党関係者は同氏を「古典的な国際主義者として、トランプ、クルーズ両氏よりも軍事力を使う意思を強く持っている」という。
バラク・オバマ大統領(54)よりも軍事面での取り組みを強化すると主張し、自らの政権を「第3期オバマ政権」にはしない意思をクリントン氏が明確にしていることは、米社会でテロに対する不安が高まっている中で強みとなるだろう。(ワシントン支局 加納宏幸(かのう・ひろゆき)/SANKEI EXPRESS)