12月19日、米東部ニューハンプシャー州マンチェスターで開かれた民主党の候補者討論会で弁舌さわやかに話すヒラリー・クリントン前国務長官(右)。矛先はバーニー・サンダース上院議員(左)ではなく、その場にいないドナルド・トランプ氏に向けられた=2015年(ロイター)【拡大】
これに対し、クリントン氏は「トランプ氏が性差別主義の傾向を示すのはこれが初めてではない」と批判。トランプ氏は、討論会での女性司会者による厳しい質問は生理中だったからであると示唆する発言をしたことがある。クリントン氏はこれをほのめかしたのだ。
差別や偏見を排する「ポリティカル・コレクトネス」(政治的正しさ、PC)を重んじるクリントン氏に対し、トランプ氏はPCにとらわれない発言によって共和党支持層からの人気を集めてきた。
ただ、トランプ氏は女性司会者に対する発言を受け、共和党の集会への出席を拒否されたことがある。女性差別はご法度だ。トランプ氏の「下品な言葉」(クリントン陣営)はクリントン氏にとって格好の攻撃材料であるといえる。
共和党との戦いに布石
米メディアなどの世論調査は、本選を仮想した質問もしている。政治専門サイト「リアル・クリア・ポリティクス」(RCP)による最近の世論調査平均値によると、クリントン氏とトランプ氏が戦う場合、クリントン氏が6ポイントほど上回ったが、共和党の若手でトランプ氏を追うテッド・クルーズ(45)、マルコ・ルビオ(44)両上院議員と戦う場合にはほぼ同等だった。