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【アメリカを読む】「リバランス」はかけ声倒れか 報告書が一石 (3/4ページ)

2016.1.26 09:00

南シナ海に展開する米空母「セオドア・ルーズベルト」(右側の背景)を視察した後、移動のため米海兵隊のオスプレイに乗り込んだアシュトン・カーター米国防長官。手をこまねいていては、南シナ海は「中国の湖」になりかねないのが現状だ=2015年11月5日(ロイター)

南シナ海に展開する米空母「セオドア・ルーズベルト」(右側の背景)を視察した後、移動のため米海兵隊のオスプレイに乗り込んだアシュトン・カーター米国防長官。手をこまねいていては、南シナ海は「中国の湖」になりかねないのが現状だ=2015年11月5日(ロイター)【拡大】

 08年9月のリーマン・ショックを受けて翌年1月に発足したオバマ政権はアジア、とりわけ中国における中間層の潜在的な購買力に目を向けていた。リバランスが「米国の価値や利益を堅持しつつ、中国を責任のある一員として国際社会に参加させるための戦略」(『困難な選択』)となることは当然だった。

 しかし、CSIS報告書は「中国の台頭をどう扱うかについて、政権は一貫性のある地域戦略をまだ明確に示せていない」と指摘する。中国はクリントン氏が当時、阻止しなければならないと考えていた「新冷戦の怪物」への道を突き進む。

 バラク・オバマ大統領(54)の退任まで残り1年。米国は昨年、南シナ海で「航行の自由作戦」を実施し、北朝鮮核実験を受けて地域に戦略爆撃機や2隻目の空母を展開したが、中長期的に中国、北朝鮮とどう向き合うかの戦略策定は次の政権への宿題として引き継がれることになるのだろう。

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