参院選へ結束 「民共は無責任勢力」 自民党大会 首相が必勝宣言
自民党は13日、都内のホテルで第83回党大会を開いた。安倍晋三首相(党総裁)は演説で、夏の参院選に向け「今年の戦いは政治に責任を持つ自民党と公明党の連立政権対民主党と共産党、『民共勢力』との戦いになる。日本のために戦い抜いていこう」と結束を呼びかけた。党大会では、参院選勝利や1億総活躍社会実現を強調した2016年運動方針を採択した。
首相は、民主、共産両党が安全保障関連法の廃止を求めていることについて「民主党が共産党と手を組んで安保関連法を廃止したら、日米同盟の絆は大きく損なわれる」と批判。「選挙のためだったら何でもする、誰とでも組む。こんな無責任な勢力に負けるわけにはいかない」と参院選勝利を誓った。
また、第2次安倍政権の発足後、雇用や最低賃金が改善されたことを挙げ「私たちの進めてきた経済政策は間違いなく結果を出している」として、政権の経済政策「アベノミクス」の成果を強調。その上で「みんなが活躍できる『1億総活躍社会』をつくり、名目国内総生産(GDP)600兆円の達成に向け、歩みを進める」と訴えた。
運動方針は、参院選を「連立政権が政策を進めるための安定した政治基盤を固める選挙」と位置付け、全員当選を掲げた。衆参同日選が取り沙汰されている情勢を踏まえ、衆院議員らに「いつ選挙が行われても勝利できるよう常在戦場の心構え」を要請した。
党是の憲法改正については「国民各層の理解を得つつ、改正原案の検討・作成を目指す」との表現にとどめ、機運の醸成に重点を置いた。
大会は参院選の総決起集会も兼ね、所属国会議員や地方組織幹部らが参加。公明党の山口那津男(なつお)代表、経団連の榊原定征(さだゆき)会長が来賓として出席した。
≪アベノミクス前面、改憲には言及せず≫
安倍晋三首相(自民党総裁)は13日の党大会で、「アベノミクス」による賃上げ実現など経済政策を前面に打ち出し、夏の参院選に向け必勝態勢の構築を呼びかけた。首相は参院選に合わせて衆院選も行う「衆参同日選」も視野に入れているとされるが、最近は閣僚の不祥事などで内閣支持率が下落。党大会では公明党が慎重姿勢を示す憲法改正に言及しないなど、選挙協力を意識した「安全運転」ぶりも目立った。
「一昨年、昨年に続き、今年の4月もみんなが喜ぶような賃上げをぜひお願いしたい。前もってお礼を申し上げたいと思います」
首相は党大会の演説で、来賓の経団連の榊原定征(さだゆき)会長を見つめながら、冗談交じりにこう強調した。さらに、2年連続のベースアップ実現や有効求人倍率の改善などを並べ、「私たちの進めてきた経済政策は間違いなく成果を出している」とアピールした。
その一方で悲願の憲法改正には触れずじまい。アベノミクスの第2ステージ「新三本の矢」の一角を占める子育て政策も、「保育園落ちた日本死ね」という匿名ブログの騒動に配慮したのか、ほとんど取り上げなかった。首相は2012年の政権交代以降、高い内閣支持率を誇ってきたが、今年に入り「政治とカネ」をめぐって甘利明(あまり・あきら)元経済再生担当相が辞任。不倫問題での宮崎謙介元衆院議員の辞職もあり、最近の支持率にはやや陰りもみられる。12日の全国幹事長会議では出席者から「緩んでいる」と批判が飛び、党執行部が釈明に追われた。ある派閥領袖(りょうしゅう)級は首相の慎重発言に「機微に触れる話題を避け、安全運転に徹した」と漏らした。
特に首相が憲法改正に触れなかったのは「公明党への配慮」(閣僚経験者)との側面が強い。山口那津男(なつお)代表が、次期参院選直後の憲法改正発議に慎重な姿勢を示しているからだ。
首相が同日選を決断する際には、公明党の対応もカギを握る。公明党の支持母体の創価学会が、選挙準備の都合で同日選を嫌う傾向にあるからだ。首相の党大会の発言ぶりは「同日選を考えれば、改憲で公明党を不必要に刺激しない方がいい」(自民党幹部)との思惑もあったとみられる。別の党幹部は、公明党への配慮が顕著な首相の姿勢に、こう感想をもらした。
「同日選の準備だけはしておかなければ」(水内茂幸、豊田真由美/SANKEI EXPRESS)
関連記事