【安倍政権考】
戦国策(燕策)の故事にある「鷸蚌之争(いつぼうのあらそい)」とは、二者が愚かな争いをしているところを、第三者の食い物にされてしまう無益の争いのことをいう。
7月21日投開票の参院選は「自民党圧勝」が揺るぎない情勢である。理由のひとつは、民主党や日本(にっぽん)維新の会、みんなの党といった野党がまさに不毛の鷸蚌之争を繰り広げたきたためだ。
しかし、ほとんどの選挙区で自民党の独走を許す「民維み」が「敵は本能寺にあり」よろしく、攻撃対象を与党ならぬ日本共産党にシフトさせている風景はおぞましい限りである。これぞ「日本政治の危機」と言っていいだろう。