「自民への対抗軸」として期待された野党が自滅すれば、共産党が瞬間風速的に浮上することは、この国の選挙の歴史がたびたび証明している。
巨大与党化する自民党と、自衛隊や象徴天皇制すらはっきりと「是」とはしない共産党-。この党が叫ぶ「自共時代」なる、いびつな政界構図を「平成の55年体制」と書いた夕刊紙もあったが、こんな状況はとんでもないことだ。
天皇陛下をお迎えする国会の開会式をボイコットし、何でも「与党に反対」と吠えているだけの革命政党が、非自民・反自民の主役になれば、自民党にとっては事実上の「敵なし」で、こんな好都合なことはない。「非共産」野党がだらしなさすぎることは国家、国民にとってこの上なく不幸なことなのである。
しかし無節操に共産党になびく「その都度支持層」にも敢えて言う。いいかげん目を覚ませ、と。(高木桂一/SANKEI EXPRESS)