だが共産党が「実力」で都議選躍進を果たしたわけではない。朝日新聞は「護憲・反原発の訴えが届いた」としたり顔で解説するが、見当違いも甚だしい。
得票数は約62万票で前回は71万票。得票率は今回は13.61%、前回は12.56%だった。わずかな得票率のアップで議席を倍増させたのは「普通の野党」が票を奪い合った結果、共産党が相対的にそれを上回り当選ラインが下がったためだ。
「その都度支持層」の動向
自公はイヤで、民主もこりごり。維新もダメ。こうなりゃ共産に入れるしかない-。都議選の投票率は43.50%で前回比10.99ポイントも低くなったのは、松本正生埼玉大学教授(政治意識論)が言う、無党派層ならぬ「その都度支持層」の多くが選択肢を失って棄権した要因が大きいだろう。投票率低下が固定支持層を持つ共産党を押し上げる一方、投票所に足を運んだ「その都度支持層」の一部が仕方なく共産党に入れたという事情もあるのだ。政界関係者はこう分析する。
「昨年末の衆院選で維新を支持した人が都議選で共産党に流れたケースが多かった。“右”から“左”への急旋回だが、そうした人はインテリ層によく見られる。むろん政策で共産党を支持したわけではなく、自公や民主、維新に対する不満票の受け皿となっただけ。まさか共産党が政権をとれるわけがないという判断も、そうした投票行動につながった」