どれも二度びきされたさらさらのパン粉をくぐらせ、牛脂で揚げられたとは思えぬほどカラッとしていて、胃もたれせずに食べ進むことができる。
飽きさせない工夫
揚げ場をのぞき込むと、大きな換気扇の下にはフライヤーではなく、大きな寸胴鍋に油がたっぷり。190度の高温でさっくりと上がるように、ガス火を巧みに操る森さん。「油が酸化しないよう、開店の40分ほど前から火を入れて、じっくりと油を温めるんです」とつぶやくように話す。下ごしらえは昼から始まり開店時間まで、約5時間ほどかかるという。
続いて小芋に海老が射込まれた細工もの、タコとキュウリ、子持ちイカと出てきた後の、バナナや蜜で煮込んだサツマイモの串は、デザート感覚の甘い味。揚げ物続きでも飽きさせない組み立ての工夫が光る。
先代が1974年に祇園に店を構え、後に仕入れ先の錦市場近くのここ、蛸薬師に店を移したのが27年前という。「何より新鮮な食材がいつでも手に入りますから」と森さん。たとえば野菜は、錦市場の「京野菜 かわまき」から仕入れている。串揚げに添えられるキャベツ、キュウリ、ニンジンスティックなどは、かじると自然の甘さを感じることができる。