テスラが5月に政府融資を当初計画より9年も前倒しで完済した際、創業者のイーロン・マスクCEO(42)は、ツイッターで感無量とばかりにつぶやいた。
実際、テスラのこれまでの道のりは平坦(へいたん)ではなかった。電子決済大手ペイパルの創業者でもあるマスク氏がテスラを設立したのは2003年。異業種のIT界からの参入で話題を呼んだが、開発・製造が遅れ、資金繰りが悪化し、従業員の大量解雇も経験した。マスク氏は巨額の個人資金をつぎ込む一方、08年からは自らCEOに就任して経営の立て直しに奔走した。
高級EV特化で成功
その08年に販売された「ロードスター」は10万ドル(約960万円)近い高値にもかかわらず人気を集め、昨年出荷を始めた量販型セダン「モデルS」も1~3月期の販売台数が約4900台に達し、四半期ベースで初めて黒字を計上した。米誌ナショナル・ジオグラフィックは、「テスラはEVのイメージを、『最先端の技術が満載の楽しい豪華な車』へ変貌させた」と評している。