米国のEV市場全体でみれば決して順風とはいえない。EVの販売台数は月間8000台程度で、新車販売市場の1%にも満たない。そんな中でテスラが成功したのは、あえて高級EVに特化するという差別化戦略が大きな理由といえる。
逆に他社は販売が低迷する中で、値下げに追われる悪循環に陥っている。GMは8月6日、「ボルト」の最低価格を5000ドル引き下げ、3万4995ドル(約340万円)にすると発表した。日産自動車も年初に低価格モデルを投入し、米フォード・モーターも値下げに踏み切るとしている。
とはいえ、テスラと同じく高級EVを手がける米フィスカー・オートモーティブは経営難に直面している。テスラがしたたかだったのは、他社から学べるところは学ぶ柔軟な戦略も持ち合わせていたことだ。
急騰した株価
10年5月にEVの共同開発でトヨタと資本・業務提携したのが追い風となり、直後にナスダック市場に上場した。初値が19ドルの株価は今年5月に100ドルの大台に乗せ、7月に入っても最高値を更新。今や時価総額はフォードの4分の1に迫るほどになった。10年には日本市場への参入も果たし、日本でも知られる存在になりつつある。