靖国神社境内には、東京裁判で被告全員無罪を主張したインドのラダ・ビノード・パール判事(1886~1967年)の顕彰碑があり、パール判決文(意見書)を引用した次の碑文が刻まれている。
《時が熱狂と偏見とをやわらげた暁には また理性が虚偽からその仮面を剥ぎとった暁には その時こそ正義の女神は その秤(はかり)を平衡に保ちながら 過去の賞罰の多くに そのところを変えることを要求するであろう》
残念ながら、靖国をめぐる国内外の「熱狂と偏見」はまだやわらいではいないようだ。(SANKEI EXPRESS)
≪中国 大使呼び「強烈抗議」≫
中国外務省の劉振民次官は8月15日、木寺(きてら)昌人駐中国大使を外務省に呼び、新藤(しんどう)義孝総務相ら日本の閣僚が靖国神社を参拝したことについて「強烈な抗議と厳格な非難」の意思を表明した。また洪磊(こう・らい)報道官も談話で「歴史の正義や人類の良識に対する公然たる挑戦で中国などアジア諸国の被害国民の感情を著しく傷つけるものだ」と非難した。中国当局はこれまで日本の首相、官房長官、外相の靖国参拝について自粛を求めてきたが、閣僚の参拝には強く抗議していない。(北京 矢板明夫/SANKEI EXPRESS)