仏参謀総長もワナに
だが「人質の生存」を問われたあたりから“戦況”は悪化する。「生存」を明らかにしたうえで、こう口を滑らせた。
「軍・政府は各々為(おのおのな)すべきことを、全手段を発動し行っている。付言すれば、事件のためにこれまで1000万ユーロ(約13億円)を支出した」
国民の生命を守ろうと、政府がいかに全力を挙げているか、物理的に明示せんとしたのだが、これがいけなかった。記者はすかさず「途方もない費用と思うか」と、たたみ掛ける。将軍は容易に出せる額ではない現実を、他の数字と比較した。
「軍の海外展開費は年8億7000ユーロ。フランスにとり大きな額で、当然ながら負担となる」
勝敗は決した。
記者「人質の生命は、当然ながら値は付けられぬが」
将軍自らも「数字を挙げたのは、各人に責任を呼び掛けるため」と語ったように、番組全体では「自己責任/分別」を強調する内容だった。将軍は以前にも、イラクで誘拐された記者らの解放を指揮した経験があったからだ。
記者の“猛攻”は続く。「表現・報道の自由を認めるか」とまで話が飛躍。斯(か)くして非難の大合唱に火を付ける。