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「理念」追求よりも結果 拙速を自戒 (3/3ページ)

2013.10.12 11:00

 自民党の首相に近い勢力には、長期政権をより確実にするため、衆参ダブル選挙を実施し、安定した政権基盤を構築する案もささやかれている。

 「思想家ではない政治家に求められるのは、理念や理想をあくまで追求することではなく、現実の世界で結果を出すことだ。そういう大きな判断を政治家はしていかなくてはいけない」

 この発言は、00年5月15日付の産経新聞に掲載された首相の語録である。当時はまだ官邸入りをしておらず、この直後に発足した第2次森政権で、官房副長官に就任し、政界の階段を上り始めた。首相はまさに今、こうした政治信念を実践すべき政治環境にある。

 つまるところ、衆参両院の選挙で大勝した与党の議席数であり、これまでのところ順風満帆な政権運営とそれに伴う高い内閣支持率であり、よって露骨に首相の足を引っ張る反「安倍」勢力が不在という党内事情である。

 そして、これらの要因はいずれも、首相にじっくり腰を据えて政治課題に向き合える「時間」を担保している。(松本浩史/SANKEI EXPRESS

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