衰退浮き彫り
一方、米紙ウォールストリート・ジャーナル(アジア版)は10月8日付で、オバマ氏の東南アジア歴訪中止に関連して大手シンクタンク、アメリカン・エンタープライズ政策研究所(AEI)日本部長のマイケル・オースリン氏の論評を掲載。オースリン氏は、歴訪中止よりも「歳出削減が米国の海外でのプレゼンスを縮小させていることの方が危険だ」と説いた。
つまり、オースリン氏は米国のアジアでの外交・軍事政策が歳出削減で大きな影響を被っていると主張しているわけだ。米国の国防費が今後10年間で約1兆ドル(約98兆円)削減される見通しであることや、米空軍が一部の軍事演習の中止を迫られたといった実例を挙げ、こうした状況が続けば「米軍の司令官たちは紛争時に相手を制圧する自信を持てなくなる」と警鐘を鳴らした。
覇権国家の土台は軍事力と経済力であり、すでに中東情勢に象徴されるように米国の軍事力は覇権としては通用しなくなりつつある。10月7日から10日にかけて行われた一連の会議は「新しいアジア」を実感させ、たそがれ期に入っている米国の衰退を一段と浮き彫りにした。(国際アナリスト EX/SANKEI EXPRESS)