JR九州は、豪華寝台列車「ななつ星 in 九州」の運行を10月15日に始めた。こだわり抜いた車両は高級ホテルにも負けない仕上がり。車内で過ごす時間を楽しみながら観光地に立ち寄るという、新しいスタイルの旅を提供する。高齢層や海外客をターゲットに、将来的には九州観光の目玉の一つに育てたい考えだ。
ななつ星は長崎を巡る1泊2日と、宮崎、鹿児島を回る3泊4日の2コースを1週間で各1便運行する。いずれも博多駅発着で、大分、熊本に立ち寄る。1編成8両で、客車は5両。共有のラウンジとダイニングの車両が1両ずつあり、機関車が引っ張る。
車両は「目に見えるもの99%がオリジナル」といい、国内外の一流メーカーに製品づくりを依頼した。天井から床、壁までふんだんに木材を使い、有田焼の洗面鉢や福岡・大川家具職人の組子といった、九州の技が随所に光る。総工費は新幹線並みの30億円をかけた。
客室は14室で、定員はたった30人だ。最も高価な部屋は1室2人約113万円。高額だが、JR九州が販売する国内向けの便は来年6月まで完売し、倍率は7~9倍だった。申し込みは60代以上が半分を占める。