人間国宝の洗面鉢
さらにこのデザインに沿って、九州の匠が腕を振るった。例えば壁やドアに施された組子細工は、福岡県の大川家具の職人が手仕事で作り上げた。
客室の洗面鉢はJR九州の唐池恒二社長の発案で、有田焼の人間国宝、14代目酒井田柿右衛門氏に依頼。酒井田氏は今年6月に亡くなる直前、全ての鉢を焼き上げたという。
客車7両のななつ星、その最後尾(1号車)はラウンジカーで後ろ一面はガラス張り。備え付けのピアノの生演奏を耳にしながら、雄大な阿蘇や日南海岸の水平線に沈む夕日を楽しむことができる。
2号車はダイニングカー(食堂車)。ラウンジカーと同様に、バーカウンターを設置した。カウンターの内側に調理場がある。地元九州の食材を、客の目の前で一流コックが料理する。車内空間を効率的に活用するため、折りたたみ式のテーブルを使っている。