唐池恒二社長とデザイナーの水戸岡鋭治氏が「これまで日本になかった豪華な寝台列車を走らせよう」と、3年ほど前から構想を練った。唐池社長は「手間こそ価値だ。これ以上のものは求めない」と、出来栄えに太鼓判を押す。
≪職人技キラリ 「走る高級ホテル」≫
細部に至るまで職人の技で作り込まれ、さわやかな木の香りに包まれた客車。九州版オリエント急行がついにベールを脱ぎ、全貌を表した。「新しい列車の旅を創造する」というJR九州の意気込みが詰まった豪華寝台列車の旅は、ついに“発車”した。
全てオリジナル
客車はまるで高級ホテルのような造り。壁や床には肌触りの良い国産高級材を使い、備え付けの家具や、茶碗などの調度品も高級感があふれる。いずれも工業デザイナーの水戸岡鋭治氏がデザインしたものだ。「家具や照明、インテリアまで全て図面から起こしたオリジナル。だが作品を作っているのではないので、お客さまの立場で考え、使い勝手のいい最高の車両を目指した」(水戸岡氏)。水戸岡氏は日本各地の山中に入り、木材を自らの目で確かめ、素材を厳選したという。