上原にとっては、まさにそのすべてが重なったシーンだったのだろう。ポストシーズン初勝利となる最高の救援をみせたとはいえ、サヨナラの殊勲はサルタラマッキアのもの。抱き合った相手が同点満塁弾のオルティスというのも象徴的だ。
ビッグ・パピとの抱擁は、上原がいかにチームに溶け込み、信頼されているかを表すシーンでもある。何より、メジャーリーグのポストシーズンの1試合1試合が、どれだけ大きな意味を持ち、重圧を選手らに強いているかも物語っている。
だからスタンドのファンも、レギュラーシーズン以上に興奮する。ヤンキースの主将、デレク・ジーターは、ポストシーズンこそ本当のシーズンと話したこともある。
日本のクライマックスシリーズも、メジャーのポストシーズンを参考にした。両リーグ3位同士の日本シリーズがあり得るなど賛否はかまびすしいが、今季も見事に盛り上がっている。プロ野球は客商売。スタンドの興奮をみる限り、すでに定着したと認めてもいいのではないか。