【KEY BOOK】「骨董鑑定眼」(青山二郎著/角川春樹事務所、1050円、在庫なし)
日本人なら一度はちょっとした書画骨董の一つ二つを手に入れて自慢したくもなるだろうが、青山二郎を読むと、これはケガするほどの大勝負だということが伝わってきて、とても手が出なくなる。本書では、富本憲吉とバーナード・リーチと北大路魯山人と加藤唐九郎の「ゆれ」と「傾き」を扱って、きわどい文句を付けている。ピカソの陶器については、「才能の出鱈目」と「笑うべき無謀」とを区別した。恐るべき文章だ。
【KEY BOOK】「眼の哲学/利休伝ノート」(青山二郎著/講談社文芸文庫、987円)
ぼくが最初に読んだのが『眼の哲学』で、のちにギョッとさせられたのが『利休伝ノート』だった。とくに「珠光はスタンダールだが、利休はトルストイだ」という見方に腰が抜けそうになった。しかし本書の「上州の賭場」と「博徒風景」は青山二郎の隠れた感覚を暴くにはもってこいである。「未練」と「思い切り」の案配をどうするか、このことが書いてある。つまりは自分で賭けに出てみなければ、何も得られないのだ。