さらに伊豆大島の南海上は、それまで台風が進んできた進路を北西から北東に変える「転向点」にあたった。付近では速度が落ちるため雨雲がとどまりやすい。気象庁の松本積(つもる)予報官(55)は「伊豆大島は周囲が海で遮るものがなかった分、本州よりも発達した雨雲の影響を受けやすかった」と話す。
火山特有の地層
大雨は島内に巨大な土石流を発生させ、西部沿岸部を中心に大きな被害をもたらした。独立行政法人土木研究所(茨城県つくば市)の石塚忠範(ただのり)上席研究員(50)は「24時間で800ミリを超える雨が降れば、どこで土砂崩れが起きてもおかしくない」とした上で「被害拡大には伊豆大島特有の地質が影響した可能性がある」と指摘する。
火山である三原山によって作られた伊豆大島の地層は、過去の噴火で発生した溶岩流や火山灰が積み重なってできた。こうした場所には水を通しやすい地層や、通しにくい地層ができることがあり、地層の境目では土砂崩れが起きやすい。崩れた土砂が川などに流れ込み、水と一緒に下っていくと土石流になる。