「再来年9月の自民党総裁選で再選され、政権は5年続く。さらに党規約を改定して総裁任期を延長し、7年後の東京五輪を安倍政権で迎えてもいい」
東京五輪開催時、首相は65歳。「黄金の7年」を手にし、7年8カ月間政権を担った大叔父、佐藤栄作元首相(1901~75年)を超えることもあり得る話だ。
憲法改正はじめ自身が宿願とする政治課題に急いで取りかかる必要もない。首相周辺は「改憲は3年後の参院選と衆院選を経て両院で3分の2の改憲勢力を確保してからでもいい」と余裕綽々(しゃくしゃく)だ。
波乱含みの原発、TPP
むろん、そうは問屋が卸さない。最大のアキレス腱(けん)は東京電力福島第1原発の放射能汚染水漏れ問題だろう。首相は、IOC総会で「状況はコントロールされている」と世界に向けて安全宣言したが、安全を担保するものはない。7年かけて軟着陸させられるのかも不透明だ。安倍政権はその覚悟を負ったわけだが、日本の対応が世界の監視下に置かれたことになる。東日本大震災の被災地復興も着実に進めなければ「復興五輪」の名が泣くばかりだ。