五輪決定で祝賀ムード一色となった9月8日、自民党幹部を驚愕させる“事件”が起きていた。茨城県議補選筑西市選挙区(定数1)で、自民党推薦候補が「反TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)」「反消費税増税」を掲げる共産党候補に敗れたのだ。茨城という保守地盤での自民の敗北は、局地的だが政権批判がくすぶっている現実を浮き彫りにした。
「安倍政権はシャンパンタワーだ」と自民党幹部は言う。輝きを放きつつも、グラスが一つ倒れるとガタガタと崩れる危険性をはらんでいるということだ。
東京五輪までに参院選は2度、衆院選も少なくとも1度ある。「数」にかまけて暴走すれば国民から鉄槌(てっつい)を下され、それこそ運の尽きだろう。(高木桂一/SANKEI EXPRESS)