日本随一のパワースポットとして人気を集め、さらに20年に一度の式年遷宮でますます注目される伊勢神宮(三重県伊勢市)。式年遷宮のハイライト「遷御(せんぎょ)の儀」を終えたばかりの伊勢神宮にお参りにいってきた。
伊勢市駅から伸びる参道を5分ほど歩いてまずは外宮(げくう、豊受大神宮(とようけだいじんぐう))へ。昔から外宮から内宮(ないくう)の順番で参拝する習わしがあるという。外宮を司る食の神にお供えをしてから内宮でお祭りを行うため、また徒歩でのお参りでは街道沿いに先に外宮があるからと言われている。
外宮の敷地内に足を踏み入れると木もれ日が美しい森が広がり、旧社殿が見え始めるとヒノキの香りが漂ってきた。旧社殿の西隣にできた新しい正宮に着くと参拝客の行列ができていた。遷御の儀から最初の3連休とあってまるで初詣のような人出だ。
朱色の鳥居や社殿を見慣れた目には白木でしかもシンプルな造りが新鮮に映る。賽銭箱もなく白い布が敷いてあるだけだ。お参りの最中、一陣の風が吹いて社殿にかかる白い幕が翻り奥がかすかに見えたときには、参拝客から「おおー」の歓声が上がった。まるで神がそこにいるかのように感じたのは私だけではなかっただろう。