スズメバチをめぐっては、忘れられない思い出がある。「子供のときですが、道の向こうからオオスズメバチがやってきた。普通のハチは人間を避けるんですが、オオスズメバチはまっすぐこっちに向かってくる。まるでヤクザのチンピラが因縁つけてくるみたいにね(笑)。あの攻撃性の強さは衝撃的でした」
そんな“最強生物”に対して、安斎は身の回りにある道具を使い、知力の限りを尽くして戦う。「本能vs.知力の戦いが、読み手としても一番面白いですよね。パニックものはたくさんあるけれど、キャーキャー逃げるだけでは退屈です。人間というのは、考える生き物。一生懸命考えることこそが、ミステリーの楽しみだと思います」