≪考える楽しみに満ちている一冊≫
貴志さんが「考える楽しみに満ちている」と話すのが、『エルマーのぼうけん』シリーズ。1951年にアメリカで誕生した幼年童話の名作だ。主人公の少年、エルマーは子供の竜を助け出すため、ある島に乗り込むが…。「電球だったり、ゴムだったり、『こんなもの何に使うんだろう』というような道具が、思いがけない場面で役に立つ。一見のどかだけれど、すごく緻密に書かれているんです」とうなる。全3作、各1260円。福音館書店。(文:塩塚夢/撮影:瀧誠四郎/SANKEI EXPRESS)
■きし・ゆうすけ 1959年、大阪府生まれ。京都大学経済学部卒。生命保険会社勤務後、作家に。96年「ISOLA」が日本ホラー小説大賞長編賞佳作となり、『十三番目の人格ISOLA』として角川ホラー文庫より刊行。97年『黒い家』で日本ホラー小説大賞、2005年『硝子のハンマー』で日本推理作家協会賞、08年『新世界より』で日本SF大賞、10年『悪の教典』で山田風太郎賞を受賞。
「雀蜂」(貴志祐介著/角川ホラー文庫、546円)