【KEY BOOK】「ヨーロッパの歴史的図書館」(ヴィンフリート・レーシュブルク著、宮原啓子・山本三代子訳/国文社、4200円)
図書館の本質を知るには、まず古代アレクサンドリアの図書館の構成を見るべきで、ついでは本書によって、中世このかたヨーロッパの図書館がいかに荘厳で、いかに建物と書棚と書物とを組み合わせてきたのか、その絶妙を知るべきだ。ぼくは海外に行けば必ず古い図書館を訪れてきた。これに較べると、現代の建築家がつくった図書館はほぼつまらない。空間的文脈がない。それが書物の配列にまで及んでいない。残念だ。
【KEY BOOK】「図書館:愛書家の楽園」(アルベルト・マングェル著、野中邦子訳/白水社、3570円)
現状の最大の読書家マングェルが、愛情切々と説いた圧倒的図書館論。図書館には神話と物語が、秩序と権力が、偶然と陰影が、脳髄と神経があるということを、ここまで説得力をもって解読した本はない。図書館についての本はどれもこれも整理と検索と利用のためのマニュアルのようなものばかりで退屈きわまりないのたが、理由は本を読んでいない連中が書いているからなのだ。本書で積年の鬱憤をはらすことを勧めたい。