トンネルは総延長約13.6キロで、大成建設とトルコの建設会社2社の共同事業体が2004年に着工し、11年に貫通。この区間で今回、地下鉄が開通した。大成建設の山内隆司社長はイスタンブールで記者団に対し「今後も技術の強みを生かせる案件に的を絞り、海外でのプロジェクトに挑戦したい」と強調。安倍首相が首脳外交で他国との経済関係を強化しようとしていることにも「民間企業にはありがたい」と述べた。
トルコではこの海底トンネル以外にも大型のインフラ事業がめじろ押しで、参画する日本企業も多い。IHIはトルコ西部で全長約3000メートルの世界有数のつり橋を建設中。他にも運河や新空港などの計画が控える。
日本にとっては、トルコ市場の有望さが魅力といえる。人口が7000万人以上で1人あたりのGDP(国内総生産)が1万ドルを超える国は、世界で日本と米国、ドイツ、ロシア、ブラジル、トルコしかない。現政権は共和国建国100周年にあたる23年に向け、世界経済の上位10位入りする目標を掲げており、進出を検討する日本企業も多い。