度胸がつきました
――舞台ならではの面白さ、得るものは何ですか?
小泉 昔、映画やテレビの現場で舞台や小劇場の人と一緒になると、演技のアプローチがとても面白く、子供心にワクワクしました。舞台ってプロしか立てないってつくづく思う。そこに立つようになり、私は度胸がつきましたね。
――えっ? 「度胸」ですか?
小泉 歌手の度胸とは全然、別。だって人前で演技をするって、ヘンだし、恥ずかしいことじゃない。
阿部 うん、うん(とうなずく)。いや、恥ずかしいっすよ。歌だと客席向いて歌えますけれど、セリフをこう(客席のほうを)向いて言うって…。
小泉 恥ずかしいって思っている人ばっかりが演劇をやっているんだと思いますよ。それを振り切る。その度胸。前は(演技を)小さいところから始めて、演出家の方に「もっと大きく」と促されていたのが、今は大きいほうからやってみるようになりました。
阿部 舞台で演じる面白さは本番にお客さんがいて、反応がすぐ返ってくること、ずっと見られている緊張感かな。そして舞台を見る楽しさは、いろいろ想像をふくらませる自由があるってこと。(何を思っても)間違いなんてない。