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「可哀想」を童謡にしつづけた雨情 ぼくが大好きな野口雨情の童謡たち 松岡正剛 (2/5ページ)

2013.11.5 19:30

【BOOKWARE】編集工学研究所所長、イシス編集学校校長の松岡正剛さん=9月14日、東京都千代田区の「丸善丸の内店内の松丸本舗」(大山実撮影)

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 『十五夜お月さん』『七つの子』『青い目の人形』『赤い靴』『シャボン玉』『あの町この町』『雨降りお月さん』『証誠寺の狸囃子』『波浮の港』『黄金虫』『ちんちん千鳥』『待ちぼうけ』など、いずれも寂しく、なんともいえない憐憫を誘う。

 雨情のコンセプトが「可哀想」や「はぐれる」にあることは、歌詞を見てもらえばわかる。山のカラスの母子は泣き、シャボン玉は屋根まで飛んでこわれて消えるものなのである。赤い靴をはいた女の子は異人さんに連れられるのだし、青い目の人形は迷子になってしまう。花嫁は一人でから傘をさして馬に揺られて濡れ、そんなときのお月さまはたいてい雨降りに曇るのだ。こうして、あの町もこの町もお家(うち)はだんだん遠くなり、みんな待ちぼうけになってしまう。寂しいことは少年や少女だけにおこるのではない。年老いた船頭の夫婦たちも「枯れすすき」なのである。

 こんなに悲しい歌詞ばかりを書いたのには、雨情が内村鑑三の「棄人・棄民・棄国」を重視する思想に感応していたとともに、自分の人生そのものの「寂寞(せきばく)」を見つめ続けていたからだった。このあたりのこと、ぼくも千夜千冊700夜や『日本流』(ちくま学芸文庫)にたっぷり書いてきたことなので、いずれ読まれたい。

日本の村里にこそ日本人の心情の原点が宿る

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