【KEY BOOK】「野口雨情童謡集」(藤田圭雄編/弥生書房、1300円、在庫なし)
1番。ここの屋敷は空き屋敷。文ちゃん生まれた茨城の、元の屋敷も空き屋敷。2番。ここの畑は桐畑。文ちゃん生まれた茨城の、背戸の畑も桐畑。3番。ここの姉さん、日和下駄。文ちゃん生まれた茨城の、お夏娘も日和下駄。この感覚が『赤い靴』『七つの子』にも『雨降りお月さん』『あの町この町』にも染みていった。こんな童謡作家は、もういない。
【KEY BOOK】「野口雨情 詩と人と時代」(野口存彌著/未来社、3990円、在庫なし)
雨情の子息による評伝。よく書けている。とくに内村鑑三の「東京独立雑誌」が雨情に与えた影響を、安孫子貞次郎、中村有楽の線で追ったところがユニーク。雨情が子供を「救済者」とみなしていたことについての言及も興味深かった。雨情が子供に救われたのだ。著者には『父野口雨情』(筑波書林)もある。
【KEY BOOK】「野口雨情:郷愁の詩とわが生涯の真実(人間の記録)」(野口雨情著/日本図書センター、1890円)