燃料貯蔵プールからの燃料取り出しを直前に控えた東京電力福島第1原発の4号機内部が11月6日、報道陣に公開された。来週にも始まるプールからの燃料取り出しで、廃炉工程は「第2期」に移る。
政府と東電の廃炉工程では、プールからの燃料取り出し開始までを「第1期」、炉心溶融によって1~3号機の原子炉内で溶け落ちた燃料(デブリ)の取り出し開始までを「第2期」、廃炉完了までを「第3期」としている。
水素爆発で損壊した4号機建屋上部には、すでにクレーンを備えたカバーが完成。今回は、報道陣にカバー内部への立ち入りが許され、取り出し直前のプールが公開された。
冷却のため、プール内に沈められた燃料の上には細かながれきが散らばっており、東電はクレーンでがれきを取り除いた上で作業に着手する。燃料取り出しの完了には1年前後かかる見通し。
福島第1原発の小野明所長は「燃料取り出しによって本当の意味での廃炉作業が始まる。手順は事故前の原発での作業と同じだが、がれきの障害など悪い環境での作業は異例なので着実に進めていきたい」と話した。(SANKEI EXPRESS)